若手医師と商社マンが最強を目指すブログ

平成生まれの帰国子女である3年目医師と4年目総合商社マンがそれぞれの最強への道を虎視眈々と狙う

「恋愛工学の文明論」ー何故日本人は恋愛工学を受け入れられたか

お久しぶりです。開司です。

本ブログ読者の多くは、恋愛工学を受講されているか、少なくとも読んだことがある方々がほとんどだと思う。かくいう私、開司もそうだ。今では辞めてしまったが、藤沢数希先生のメルマガを第一号より購読したことにより、学生時代・そして社会人1-2年目を楽しく過ごすことが出来た。
一方で、恋愛工学には非常に大きな批判も多い。
「ただセックスをしたいだけだろ」、「なんかやたら難しい言葉だけ使っててキモい」
などなど。

しかしそれでも、藤沢氏のメルマガの購読者数はホリエモンに次いで日本で2番目に多いし、本に関してはアマゾンレビューが140件も付いていることもわかるように、現在多くの日本人に恋愛工学が受け入れられていることには疑いはない。

私はこれが、日本の文明発展として、必然的に受け入れられてきたのだと考えている。
今回は、恋愛工学の功罪を振り返りながら、何故日本でこれが受け入れられたか、ということを文明論的に論じてみたい。


恋愛工学の功績:非モテ男の指南書としての恋愛工学
恋愛工学の最大の功績は、非モテ男にセックス機会を提供したことだろう。かくいう私も、その恩恵にあやかった一人だ。思い返せば過去の彼女は「ディスる技術」、相手の「非モテコミット」を逆手に取る形で落としてきたのだ。

私はキモデブチビでオタクの大手商社マンではあるが、こんな私でも技術を活かし、自分の個性も混ぜれば、ある希望の女性をある程度落とすことが出来た。

恋愛工学とは、研究機関・学術に関連する大学機関等の知的生産所からは外れたところで生まれはしたが、1つの「学問」である。学問(discipline)とは "Branch of knowledge"、知の枝葉である。「知の体系」としての恋愛工学の活用は、非常に有効である。

- スタティスティカルアービトラージは、私たちに気軽にナンパをする勇気をくれた
- 「非モテコミット」は、「ダメだ!こんな状況では俺はフラレる!」という明確なシグナルを与えてくれる
- 「ディスる技術」は、諸刃の剣ながら非常に強力な、相手を落とすためのアクションアイテムだ

もし本当に「この人!」という好きな人が現れたとしよう。あなたは絶対にその人を落としたいと思うはずである。その場合「ディスる技術」を適切なタイミングで使ってみると良い。特に男性にとって「モテる」女性相手には効果は抜群である。

「フレンドシップ戦略」だってある。確かに高コストかもしれないが、もし自身がGood Genesを出す戦略が苦手だと判断した場合、Good Dadとなる方が、スタティスティカルアービトラージを取るよりも機会費用として少なく済むこともあるだろう。


恋愛工学の罪:つまびらかになった認めたくない真実と、恋愛工学生の暴走
恋愛を体系化することは実はほとんど誰もおおっぴらにやってこなかった。その理由の一つは、真実はいつも聞こえが悪いからだろう。

「女性は自分の理想の子を生むためにイケメンとセックスをしたがる」

こういった話をすると、ブサメンからの非難は明らか。「これは人種差別だ」と。確かに人種差別の一種かもしれないが、これは紛れもなく一つの真実であり、ロジックでもある。こういったある意味「汚い」真実を隠すために、これまで恋愛の体系化は避けられてきたのだ。

そして、自称「恋愛工学生」の跋扈と、ナンパ師の暴走。

恋愛工学の特徴として、その体系を自分で整理しなければならない、即ち1冊の本にまとまっていないことである。これは創業者の藤沢数希も認めていることだ。

従って、それぞれの概念と恋愛工学受講生の個々の言動だけをピックアップして、恋愛工学というのは批判されやすい。恋愛工学を受講された者の中には、これを悪用したり、モテない人たちを見下したり蔑視したりする傾向は、ある程度認められる。

だが、それは飽くまでも個々の恋愛工学受講生への批判であり、恋愛工学への批判とはなりえない。


文明論的考察:文化帝国主義としての恋愛工学
次に、恋愛工学は欧米式の恋愛方法論の略輸入盤と言っていいだろう。
恋愛工学が日本で導入されたことは、欧米による勝手な恋愛論の侵略、即ち日本への文化に対する帝国主義の始まりである。

聞こえは悪いかもしれないが、過去には欧米の帝国主義により、アフリカ・アジアは近代化に成功した。それと同じように、今の時代は日本での「恋愛の近代化」がなされている過渡期なのだと私は考えている。

そもそも、日本語の「愛」と 英語の"Love"は全く異なるものである。
「Love」が肉欲的な欲求を指すのに対し、「愛」は幕末以前では「うつくしい」と読まれていた。即ち「愛」=「美」=「品」であった。
1899年生まれの前衛書道家、上田桑鳩氏が下の作品を『愛』と名付けたのもの、こういったロジックがあったからに他ならない。
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そうすると、サブタイトルに対する回答が見えてくる。
恋愛工学が日本で受け入れられたのは、日本人の欧米的恋愛に対する憧憬、そして近代化をするための必然性によるものだといえるのだ。


僕が藤沢数希氏のメルマガ購読を辞めた理由
そして、私は藤沢数希氏のメルマガ購読を辞めた。
理由は幾つかあるが、そもそも藤沢先生の恋愛観と私の恋愛観は違うと感じたからだ。

私は夫を持つ別の女を孕ませたいとも思わないし、たとえ男性の本能が「繁殖」をするためにセックスをするのだとしても、人間としてそれを肯定するべきだとは必ずしも思わない。

男性は飽くまで「快楽」の為にセックスをするのである。

もし人間の本能をフルで肯定するとすれば、文字通り生存競争を生きるために「戦争」も肯定することになるのではないか。戦争は歴史にとって必要悪かもしれないが、敢えて起こすべきかというとやはり私は違和感を覚えるのだ。

だから僕は、藤沢数希氏のメルマガを辞めた。

ただ家にいるだけで12万5000円 オンコールの実態

医師のTatsuyaです。
 
医者のアルバイトに関して、これまでも数記事ほどアップしてきた。そのあまりの稼ぎに、驚いた読者も多かったようだ。人の命を扱うという責任の重さは当然あるが、医師の資格職としての魅力は飛び抜けている。

今回は、最近僕が始めた、医者のオンコールバイトに関して書こうと思う。
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オンコールとは?
On Call、いつでも電話に出ます、という意味である。
基本的な内容としてはこんな流れだ。

医者は自宅で待機している。そして、入院患者や自宅介護の患者さんに何かあった際(発熱や死亡確認など)に、電話で呼びだしを受ける。連絡を受けたらまずは病院に向かい、看護師と合流し、診察しに行く。それが終わったら、自宅に戻る
 
相場は、内容や場所によってかなり違う。僕の行っているものは、半日待機で2万5000円である。木、金、土、日(土は朝晩)で25000円X5回、合計12万5000円である。この時間割だが、平日は日中働いているので、夜しかできない。土曜は24時間オンコール。日中働いていることが多いのだが、その時間帯は掛け持ちを許可してもらっている。日曜夜は月曜の勤務に引っかかる可能性があるのと、だらだらしたいので、外している。
 
呼ばれる件数自体は少ないし、呼ばれても追加報酬は出る。何もなければ、ただ家で電話の番をしているだけだし、呼び出しでがあっても、2−3時間で片付く案件がほとんである。かなり割のいいバイトだと言えるだろう。
 
しかし、実際はそううまい話でもない。僕は「いつ呼ばれる、かわからない状態」っていうのがかなり嫌で、正直好きではない。運が悪いと夜中の2時に呼び出されることもある。遠出や飲酒は当然ダメ。それなら土曜半日でいくらというような、時間で区切られたバイトの方がすっきりしていて僕は好きだ。
 
週末に束縛されるのはかなり堪えるので、あんまり年を取ってからはやりたくないというのが人情だろう。ただ実際は40〜50代の医師でもオンコールしまくりな人は多い。他にやることない、というのもあるが、一番の問題は、他にやれる人がいないということだろう。


ネット副業との比較
ところで、このようなオンコールバイトの時給や確実性を考えると、同額をネットで稼ごうとしたら、相当に成功する必要がある。単純に確実に金を得るなら、医者バイトにかぎる。
 
それでも、ネット副業は自分のブランディングや、自身の影響力が拡大したりという魅力がある。医者バイトをいくらやっても、金以外にはあまり意味はなく、医者としての能力も上がらない内容が多い。稼ぎも、いつまでたっても一緒だ。やりがいというものはほぼない。世の中の役には、少なからず立っていると信じているが。
 
自分のライフスタイルに合わせて、適切に金を得ていきたいものである。
 
参考記事

モテない女医に共通する特徴と、リノベーション戦略

以前書いた記事「なぜ女医はこれほどまでにモテないのか? ー医療の闇の中、蜘蛛の巣が張る蜜壺達ー 」には凄まじい反響があった。謎に包まれた女医の生態を赤裸々に綴ったことが、多くの人の関心を引いたようだった。
 
中には「何様のつもりだ」「お前みたいなクズに世話にならなくても彼氏いるわ!死ね」といった心無い誹謗中傷もたくさん受けた。全くの的外れである。賢明な読者であれば、僕が心から女医さんが幸せになれるようにと、願って書いた渾身のエントリであることは、すぐおわかりいただけただろう。

 

モテない女医に共通する特徴とは?

その後も知り合いの未婚・結婚の予定のない女医さん多数にコンタクトを取り、その生態と共通点を探るべく、日々リサーチをかけた。そうして、幾つか新しく明らかになった事実があるので、紹介しよう。

友好関係が狭く、男女関係抜きの友好を結ぼうとしてくる

病院は必ずしも都心にあるわけではない。一番医者が多いのは東京都内だが、病院の機能上、やや都心から離れた場所に作らざるを得ない。そんな辺鄙なところに勤めていると、なかなかエリートサラリーマンなど、恋愛対象となり得る人種と出会う機会が少ない。逆に、都会にある病院に勤めている女医さんは、あまり恋愛で苦労していない印象がある。

また、先輩風を吹かしたり、男勝りな態度で仕事に取り組んでいる人は、モテていない。男モードにならないと、職場でうまく立ち回れないと考えているのだろうか。そんなゴリラに見向きする男がいまい。しっかりと仕事モードと女モードを使え分けられるようにならないと、恋愛市場での価値は下がってしまうのだ。 
 

格好に無頓着である

多くの女医が勤めている総合病院という場所での仕事着は、スクラブである(下記画像参照)。これは基本的に病院が貸し出している。病院に着いたらすぐコレに着替える人が多いので、出勤の際は部屋着のようなダサい格好で来てしまううら若き女医が多いのだ。スクラブは体型がわかりにくく、着ていて楽なので、他の服を着れなくなってしまう。 

また、マスクをしていることも多い。これで目の周りだけガチメイクを施し、それ以外は適当というような、手抜きな化粧を行うことが慣習となっている。こういった怠惰な習慣が、彼女らの美への探求心を鈍らせてしまうのだ。飲みに繰り出す時も、仕事柄急に決まることが多いので、当然着替えてくるのは難しい。結果「今日はオンナとして来てないわよファッション」に身を包んでしまっていることが多い。こうして非モテ女医への道に邁進してしまうのである。
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逆に、モテる女医さんは、日頃からファッションには手を抜かない。考えてみれば当然で、丸の内OLで、まさかパーカー着て出勤する人はいないだろう。心当たりのある女医さんは、猛省してほしい。ただ、妙に女っぽい格好ばかりする女医に限って、凄まじいブスだったりするので、なんだか変なところでバランスが取れてしまっている。
 

変な趣味にはまり、それをSNSに投稿してる

20代後半になって固定の彼氏がいない女って、なぜかどいつもこいつも演劇にハマってる。気になりすぎて、宝塚の追っかけをやってる先輩女医(30歳 彼氏なし)にその理由を聞いてみた。その人は正直に教えてくれた。それは「美女と美男子が苦難を超えて恋愛する姿を見て、現実逃避できるから」とのことであった。なんともへぼいメンタリティである。中身は男アニヲタと一緒である。


逆に言えばSNSで演劇の話ばかりしている女は、現状としてモテていないという推測も成立する。これからは演劇が好きか否か、もスクリーニングに入れよう。

また同様の現象として、ディズニーランドが大好き、というのも散見される。同じような精神性であろうことは容易に想像できる。夢の国に逃亡する暇があるならば、女磨きに精を出してほしいものだ。ミラコスタに泊まる前に、ラブホテルに泊まりなさい。


昔は、意外と可愛いかった人が多い

いろいろと厳しいことを書いてきたが、それでも僕は女医さんに希望はあると思っている。現状ではもさい感じになってしまった哀れな医療の犠牲者である女医さんだが、実は「昔は女の子として頑張っていたけど、働きすぎて女の心を忘れてしまい、今は恋愛から遠のいている人」という人種もかなり多い。あまりにタフな仕事の毎日に、そのまま往年の女子力を取り戻すきっかけを逸し続けているのだ。
 

まとめ

逆に女心を忘れず、仕事だけじゃなくて恋愛も全力で頑張っている女医さんは、かなりモテている。生涯未婚率36%という数字は、かなり多くの割合の女医さんが女としての自分磨きを怠っている(またはそういう風になってしまう職場の影響)からである。換言すると、モテないのは環境のせいではなく、女医個人の心がけが悪いからである。
 

女医さんを効率的に狙い落とす、リノベーション戦略とは

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もちろん、現段階で「美人x高収入x医者」みたいになっている女医さんを狙うのが王道ではある。しかし、そういった女医さんの争奪戦に参加するのはコスパが悪い。ここでは、女子力が低くなってしまっている女医さんにスポットライトを当ててみたい。 

確かに現状では、あまり魅力的には映らない。しかし、磨けば光る、のであれば、話は変わってくる。この際、一番問題になるのが「ただのブス」なのか「昔は女の子として頑張っていた人」なのか、を見分けることである。


どうやって磨けば輝く女医さんを見つけ出すのか。その際に有効なのはFacebookなどに代表されるSNSだ。これで大学時代の写真や、結婚式に参加した時の写真をチェックするのである。そうすると、着飾ればかなり可愛い人が多いことがわかるだろう。
 
こういった人は、恋愛パワーが落ちてしまっているので、1on1の飲みに誘い出せれば、比較的簡単に落とせる。あまり男が言い寄ってきていないからだ。そして一度関係をもった後に、徹底して格好と振る舞いを指導するのである。そうすれば、往年の輝きを取り戻し、低コストで素敵な高スペック美女が出来上がる。


まるで、目利きの職人が、ボロ中古車の中からお宝クラシックカーを見つけ出し、じっくりとオーバーホールするようような喜びがある。是非戦略の一環として一考してほしい。



なお、「昔からブスで今もブス」も当然いる。そんな人は非モテ男子のためにとっておけばよろしい。

アメリカの病院に医師として働くための就職活動をしてみてわかったこと

医師のTatsuyaです。

アメリカで医者をやるには、レジデント(研修医)として、アメリカの就職プロセス(マッチング)に参加するのが王道だ。それ以外にも、研究留学や、フェローシップ(専門科研修)というのもあるが、僕の現状からすると、レジデントとして渡米するのが一番合っている。

医者は一般的なサラリーマンのように、自分の勤め先の海外支部に転勤する、といったようなことは基本的にない。唯一あるのは、日本の大学病院の医者が、研究目的に留学すること。医者で「アメリカ留学したことがある」という人のほとんどがこのパターンである。アメリカで「医者として働きたい」のであれば、アメリカ人と同列に就職活動を行うしかないのだ。

僕は2017年度のアメリカ就職を目指して、現在参加中である。このアプライのプロセスを経て、いろいろと新しく情報を得たので、ここでシェアさせていただこう。
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プログラムの探し方

まずはMatch A Residentなどに代表されるプログラム検索サイトを使って、自分の希望にあったレジデンシープログラムを探す。希望科、病院の場所、USMLEの各スコア、Visaの必要性の有無、卒後何年、といった情報を入力すると、自分のスペックに合ったプログラムのリストが出てくる。各プログラムの紹介コーナーには、実際にそのプログラムの面接に呼ばれた人の、スコアや外国人の割合、面接の感想などが載っている。とても有用なサイトである。ちなみに有料である。



書類選考

プログラム側が最初に目を通すのは、候補者の書類上のデータである。人気プログラムでは3000−5000件もの申し込みがあり、そのほとんどを事務員のネーちゃんがUSMLEスコアなどの定量可能な基準でスクリーニングし、相当数を排除するのが一般的なようだ。その中から、有力な候補者にのみ、プログラムディレクター(医者)が目を通し、面談のオファーを候補者へ送る。この流れからわかるように、自分の書類上のスペックを上げるのは極めて重要なのだ。ざっと振り返ってみよう。
 

USMLEスコア

USMLE(米国医師国家試験)のスコア。上記の通り、これはどちらかというと足切りに使われる。一番重要なのがSTEP1で、競争率の高いプログラムに行くためには240-250点ぐらい必要。多くの内科系プログラムでは、足切りで使われるのは210-220ぐらいが多いようだ。なお「一回目の受験で合格する」というのも要件にしているプログラムがほとんどである。
 

推薦状

3通以上必要。1通は「自分が現在所属している病院の部長から」と指定されていることが多い。日本で医者をやっている場合は、上司は当然日本人になる。普通の日本人に、推薦状を英語で書く能力はないので、自分でドラフトを書き、サインしてもらうのが現実的だろう。

 

残りは、アメリカ人医師に書いてもらう。推薦状は「アメリカで働く準備ができている事を第三者に証明してもらう」ことが目的なので、ただの見学では推薦状は書いてもらいないことが多いらしい。そこで、エクスターンシップや交換留学、米軍病院などを通じて、実際に「部下」として働き、自分を評価してもらうというプロセスが必要となる。

 

僕はアメリカで数週間エクスターンシップをしたので、その際のアテンディング(研修を終え、独立して医療ができる医者)2人にそれぞれ依頼した。そのドクターはどちらもかなり若く、推薦状としてどのぐらいの価値があるのかは正直不明である。なお、マッチングを控えたアメリカの医学部4年生に推薦状に関して話を聞いてみたが、主に4年生の病院実習の際に付いたアテンディングに依頼することが多いとのことであった。
 

Personal Statement志望理由書

これに関しては多くの情報が出回っているし、内容は各個人でバラバラなので、それぞれ頑張ってほしい。重要なのは、ネイティブによる査読(特に、マッチングで面接をするレベルの医師)と、字数を650Wordsぐらいに抑えることである。アメリカ人のとあるプログラムディレクターから言われたのは、先方が一つのPSを読む時間は45−60秒と短時間であり、あまりに長いものは嫌われる、ということであった。
 

アメリカでの臨床経験

Mach A Residentでざっと見た感じ、これを要求しているプログラムはそれほど多くないが、求めている場合は3ヶ月−1年という期間が多かった。日本人の場合は、短期のエクスターンシップを何回も行うか、米軍病院で1年間のインターンシップを行うしかないだろう。
 

外国人の定義とは何か

ところで、アメリカの外国人の受け入れの姿勢はどうなのだろうか。アメリカのマッチングに関して統計結果が公表されている。それによると、IMG(international medical graduate)は全体の1/4ほども居るとのことで、ほぼ100%日本人しかいない日本の病院と比較すると相当多いように感じる。

 

しかし最近わかったのだが、「アメリカ人で、アメリカ国外のメディカルスクールを卒業した人もIMGとしてカウントされる」らしい。アメリカ国内のメディカルスクールの倍率はかなり高く、学費も高い。そこで一部のアメリカ人はカリブ海あたりのメディカルスクールに入学し、IMGとしてアメリカに戻ってくるとのことだ。当たり前だが、こういう人は英語はペラペラで、アメリカ国内でのコネクションも相当持っているので、日本人みたいに英語も苦手でコネもない、みたいな雑魚民族とは同列に語れない。

 

余談だが、世界一医師を輩出している国は、インドである。単純に人口が多いことと、医療は基本的に英語で行なわれているということが彼らの強みだ。アメリカとインドの医者の懐事情は数十倍の差があり、インドからアメリカを志す人はかなり多い。言語は違うが、同様な理由で中国人も非常に多い。
 

さて、僕のスペック

以下のように、マッチングで非常に不利な条件が揃っている。
-Visaが必要な外国人である
-USMLE(米国医師国家試験)の点数が低い(210ぐらいで平均以下)
-USMLE STEP2CSに現段階で合格していない

 

逆に強み(と言えるかは微妙だが)は
-内科希望なので、門戸が広め
-アメリカでの臨床経験が1年以上ある
-帰国子女なので、英語は比較的マシ
ぐらいだろうか。

 

なかなか厳しい戦いである。
Match A Residentでプログラムを絞り、とりあえず80プログラムほどアプライしてみた。
ちなみに、願書を提出するだけで16万ぐらいかかった。

 

ここまできたらもうヤケクソだ。皆も祈ってほしい。

医者よりすごい仕事ってあるんだろうか

少し前に、MRさんをdisるツイートをしたところ、予想外に反応があった。


この発言は、普段から面白くもなく給料も低い仕事を我慢しながらしている多くの社会人の先輩方の顰蹙を買ってしまったようで、変な人達から大量に怒りのリプライが来た。その中で一番多かった指摘は「高給取りというだけで、世の中の数多ある仕事よりはマシなんだボケ」というものであった。

僕は、なるほど、そうかも、と思った。確かに、MRさんの給料は30歳付近で800万くらいとのことで、一般的に考えれば相当な高給取りなのだろう。世の中の多くの人からしたら、羨みこそすれ、蔑むような業種ではないのだ。


ところで、平均的サラリーマンの年収とはいくらぐらいなのだろうか。国税庁平成26年度民間給与実態統計調査によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は415万円(男性:514万円、女性272万円)とある。40-50代のおじさんが平均を大きく上げていることを考えれば、20−30台の若者の年収など推して知るべしであろう。

ここで、平均よりちょっと良いサラリーマンの「すごさ」を「難易度D、給料D、仕事満足度D、社会貢献度D」と定義してみる。難易度は、その仕事にありつく難易度のことである。ちょっとだけマシなサラリーマンになるためには、とりあえずは親や周りの言うことを聞いて生きていれば良い。MARCH以上の大学を出て、そこそこに就職活動を行うだけだ。自分の意志で新たな価値を生み出す必要はない。これをベンチマークとして、他の仕事を比較してみたい。


・医者(勤務医)
難易度B、給料B、仕事満足度B、社会貢献度A
我らがお医者様。ここでは一番多い雇用形態である勤務医に限定する。医者になるために一番大きく、そして唯一の障壁は大学受験である。ここで、偏差値70ぐらいと最強レベルになる必要がある。一度受験に合格すれば、後はイージーゲーム。どんな人でも医者になれるので、難易度はBとした。平均年収は1300−1500万で、ちょっと非常勤を頑張れば2000万円台だ。人を助けるという、非常に社会的意義のある仕事でもあり、一般人からとてもリスペクトされるので、本人の満足度も高いだろう。

しかし、それでも僕は現状としては「医者なんか大した仕事じゃないよ」と思っている。これの大きな理由が、僕が比較相手としている職業が、かなり極端であるから、ということがわかった。

僕のブログで散見される「すごい」「最強」の言葉。これらはいったい何を指しているかというと、要するに全てがSランクの男になりたいということである。僕が医者になった理由は、高校生の時に、医者があらゆる仕事で最も「すごい」と思ったからだ。その後大学生、研修医と世の中のことが少しずつ分かってきた、「すごい」の基準もだいぶ変わってきた。

日々の生活に戦いがあって、収入をぶったまげるぐらい高くて、常に「本番」「勝負している」という実感が得られる、そんな仕事がすごい仕事だ。

そういう意味で、他の仕事のことを考えてみる。


・仮想敵:日系エリートサラリーマン
難易度B、給料B、仕事満足度C、社会貢献度C
年収1000−1500万円のレンジで考える。国税庁の統計によると、年収1000万円以上の給与をもらっている人の人数は1995千人、割合は4.1%しかいない。社会貢献度がわかりにくいというネガはあるが、それでも困難な仕事をこなしているという満足度はそれなりにあるだろう。もっとも勤務医に近いスペックだが、社会からのリスペクトが得づらいという点で、医者には劣る。また、給料が上がるのに時間がかかるのが特徴であり、40−50歳にならないと1000万以上にはなかなか行かない。

・仮想的:外資系エリートサラリーマン
投資銀行、企業コンサルタント、ファンドなど。うまく昇進できれば給料は数千万円となり、医者の平均を大きく上回ることができる。そういった夢があるのも、外資系エリートサラリーマンの特徴だ。ただ首になりやすかったり、激務だったりするのが難点。激務なのは医者もだけど。

・仮想敵:特殊技能組(ミュージシャン、スポーツ選手など)
難易度S、給料S、仕事満足度?、社会貢献度S
ピンキリだが、売れている人達に限定。絶対数がめちゃくちゃ少ないし、特殊な素養が必要となる。スポーツ選手であれば、小さい頃からその競技に打ち込んでいないとまず有名にはなれないし、小さい頃からの慣習なんて家庭の事情以外のないものでもなく、自分でコントールはできない。社会貢献度は、虚業といえばその通りかもしれない。それでも、オリンピックを見ればわかる通り、世の中の人に勇気や希望を与えることができる。とてつもなく価値のある仕事だろう。本田△

再現性の無さは最強レベル。しかし、これを多くの人が目標とするのは現実的ではないだろう。 収入も桁違いに多く、憧れる。

・仮想敵:企業経営者
難易度A、給料S、仕事満足度S、社会貢献度?
これも事業がうまくいっている人達に限定している。これも絶対数が少ないが、大人になってからの生き方で選ぶことができるという点では、スポーツ選手よりはマシだろう。社会貢献度は、ピンキリ過ぎて一概には語れない。資本主義社会をコントロールする側にいるというのは、やはり憧れますな。


こう考えると、お医者さんってやっぱりすごい仕事なんだなぁ。

ではここで、ランボルギーニアヴェンタドールSVのことを考えてみよう。
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給料は5000万円ぐらいないと、きっとランボルギーニは買えない。ランボルギーニの値段は中古でも3000万円ぐらいだ。そして優れた臨床医を目指し真面目に医療に取り組んでいるだけでは、確実にアヴェンタドールには届かない。

臨床医を極めていくという人生は、同時にアヴェンタドールを諦めている人生、とも言える。少なくとも、「現状では実現できると考えていない」のである。

僕自身は、臨床は楽しいと思えるし、やりがいもある。だから、アメリカ臨床留学なんていう、非常に大変で手間のかかる作業のため、日々努力しているのだ。

ビアレッティのお手軽エスプレッソで、新しい一日を始める

先日、僕は恥をかいた。

僕はコーヒーというものに関して、人一倍こだわりのある人間だ。最近ではフライパン焙煎にも手を出している。当然、砂糖や牛乳を入れるのは邪道で、ブラック一択だ。香り高いスペシャリティーコーヒーに、甘みなど不要なのだ。

そういった流れで、エスプレッソも同様と考えいた。砂糖や牛乳を入れず、デミタスカップからダイレクトにそのまま飲んでいた。女の子の「エスプレッソそのまま飲めるの?」という驚きの眼差しに、得意であった。「砂糖や牛乳を入れるのは味がわからん日本人だけだよ」なんて言いながら。正直、エスプレッソって苦いだけで、そんなにうまいものではないとも感じていた。

そんな時、彼女が席を一瞬外した。すかさず、ダンディな店員が皿を下げに来た。彼は微笑みをたたえながら「好みは各人の自由ですが、エスプレッソを無糖のまま飲むのは日本人だけと言われていますね」とつぶやいた。冷や汗、冷や汗。そ、そうなのか・・・。

家に帰って彼女が寝た後、居てもたってもいられず、インターネットで調べてみた。ダンディ定員は間違っていなかった。本場イタリアでも、エスプレッソには砂糖を山盛り一杯入れるものらしい。そして、クレマ(エスプレッソの上に浮かんでいる茶色の泡)を崩さないように少しだけかき混ぜ、クイっと2、3口で飲むのが正当派との事。最後に、底に沈殿している砂糖をすくって食べるのも醍醐味であるという。


コーヒーに関して能書きを垂れていながら、エスプレッソに関して誤解していた自分を恥じた。ならば自分で作ってその世界にどっぷり浸かることでしか、贖罪の道はない。友人のコーヒー原理主義者に助けを請うたところ、以下の商品を紹介された。

ビアレッティ 直火式 モカエキスプレス
これは、水とコーヒー豆を中に入れて、そのままコンロにかけるだけで、あとは放っておくだけで手軽にエスプレッソが作れるという代物である。オールアルミボディの堅牢な作りである割に、値段も4000円弱とそこそこ安い。早速注文した。

コーヒー豆は、エスプレッソ用に深めにローストした豆を、極細挽きにして使う。細すぎても目が詰まってしまうことがあるそうなので、コーヒー屋で挽いてもらう際は定員に「ビアレッティで使う」と一言伝えるのが確実だろう。僕は、カリタのナイスカットミルで一番細かくして使用しているが、これで問題が起きたことはない。
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この商品、大きさがいろいろ選べる。僕は3杯用にしたが、これでコーヒー豆17gがぴったり入る。コンロの上に置く、五徳も買っておくと便利だ。
 
構造上、プロ用のエスプレッソマシンのように高圧をかけたり、クレマを作ることはできないが、それでもかなりリッチな濃厚コーヒーができあがる。お湯や温めた牛乳を注いで好みの濃度にして飲むのが一般的だろうが、熱々のエスプレッソをそのまま氷に注ぎ、極上のアイスコーヒー(正しくはアイスアメリカーノ)を作るのもオススメである。

また、ペーパードリップとは違い、フィルターは金属なので消耗品はない。コスパはかなり良いと言える。万人にお勧めできる一品である。

なお、アルミで出来ているので、IHでは使えない。その点だけ注意してほしい。
これで、粋なイタリア男を気取ることが出来るのであれば、安い投資と言えるだろう。 

一人焼肉がもたらす寂寥に耐える意味などない

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焼肉は好きだが、高い。僕は肉をたくさん食べるし、ビールも何杯も飲んでしまうので、正確には「高くついてしまう」というべきだろうか。とは言っても、外食で安く焼肉を食べようとすると、脂身ばかりの薄いクソ肉ばかり出てくる。これでは興が乗らない。27歳の僕は、ヤングカルビでは満足できなくなってしまったのだ。

となると、外食を諦め、自炊するという発想になる。しかしそれも上手くいかない。家で焼肉用の肉をフライパンで焼いた事がある人らわかるだろうが、フライパンというのは肉汁や脂肪が落ちる場所がないので、焼かれた肉達はギトギトして水っぽくなってしまう。ホットプレート焼き肉でも同様の問題が起きるが、これが焼肉屋と自宅焼き肉のクオリティに、決定的な差をもたらしている。

イワタニ カセットフー カセットグリル

解決策はある。それがこの商品、イワタニ カセットフー カセットグリルである。これは火の範囲が広いガスコンロの上に、厚みのある鋳造グリルをのっけただけの代物である。このシンプリシティにこそ、このグリルとエセ焼肉グリルとの間に存在する差の秘密がある。

まずは火力。焼肉ではやはり電熱ではダメで、しっかりと炎で肉に火を入れる必要がある。次に鉄でできた無骨なグリル。蓄熱は抜群で、また網目の幅がちょうどよく、いい感じに焼き目がつく。構造上、煙を少なくする工夫は一切なく、焼肉屋よろしくモクモクと煙がでる。その辺が潔くて良い。 

この商品に関して、アマゾンレビューで低レビューをつけている人がいる。曰く「重い(鋳造グリルだから当然)」「焦げる(テフロン加工しか使えない現代っ子)」「煙い(焼肉屋を再現する商品だから当然)」と言ったものばかり。これはスポーツカーを買って、「荷物が乗らない」とか「燃費が悪い」とか文句を言っているのと同じだ。

ちなみにこのイワタニという会社は、反射板の工夫で遠赤外線を作りだした名器「炙屋」、強力なガス火と厚みのある鉄板でプロの味を再現するたこ焼き機「炎タコ」、と言ったマニアック商品を多数リリースしている。僕も炎たこは愛用しているが、タコパなどと称される場所で出されるタコ入りパンケーキとは別次元の、本物のたこ焼きが作れる。
 
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それでは自宅焼肉を催そう。
焼き肉はタン、カルビ、鳥か豚を最低用意する。種類をある程度用意することが、焼肉屋っぽさを上げるコツだ。カルビはでかい牛バラブロックを買ってきて、自分で適当な大きさに包丁で切り、もみだれに浸しておこう。このひと手間が重要である。あとは白米、キムチ、ナムル、韓国のり、よく冷えたビールがあれば、とりあえずは十分だ。

まずはタンを焼く。十分に熱せられたグリルは、あっと言う前に薄いタンを焼き上げる。すぐに肉の上に肉汁が浮かんでくる。そこに塩胡椒を軽く。ひっくり返したら、早めに取り上げ、メディアムレアに。レモン汁をかけ、熱々のうちにいただく。香ばしい香りに肉汁、それをレモン汁の酸味がサッパリと洗い流す。まさに至福、涙がでる。

その次はカルビ。豪快に3枚ほど一気に乗せる。タレがかかっているので焦げやすいから気をつけろ。強い火力は容赦などしないんだ。焼きすぎてしまうは、牛さんに無礼。頃合いを見て取り出す。つけだれはさっぱりとおろしポン酢。口の中に放り、咀嚼する。すかさず白米をかきこむ。思わず快哉を叫ぶ。ビールはもちろん、プレミアムモルツ一択である。

口の中が油っぽくなってきたときこそ、サイドメニューの出番である。ナムルとキムチ。焼き肉の本場大韓民国で作られた至宝。長い歴史を誇るだけあり、焼肉との相性は言わずもがな。落ち着いたところで、また肉に突撃するのだ。


肉VS俺。誰にも邪魔されない本物の対話。

ふと気づく。君は一人だ。誰にもこの感動や喜びをシェアする相手がいない。一人で焼肉をして、自分だけで喜んで。そんなことに何の意味があるのだろう。こうしている瞬間も君は死に向かって1秒1秒歩み続けている。誰も時の流れを止めることはできない。

残るものといえば、焼肉と煙の臭いがこびりついた散らかったリビングルームだけ。たった一人、椅子に座ってアルコールが回った頭を抱える。聞こえる音といえば、「強」に設定した換気扇だけだ。人は皆、孤独。村上春樹も言うように、この地球という惑星は人々の寂寥を滋養として回転しているのか?

そんな時、僕はアマゾンプライムに最近追加された、ガンダム00をつける。武力による戦争根絶という矛盾した夢、人々の対話の儚さ、すれ違いによる悲劇。それでも、ガンダムマイスターたちは希望を捨てない。正義とは何か。彼らは、牙無き人達のため、戦い続ける。


本当の自分の姿は、とてもちっぽけ。
いつか見つかるだろうか?俺を真実へと導く道標が。
 
今日も、どこかで誰かが肉を焼いている。