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若手医師と商社マンが最強を目指すブログ

平成生まれの帰国子女である3年目医師と4年目総合商社マンがそれぞれの最強への道を虎視眈々と狙う

愛車と魂のレガシー

危ない!
危うく人生最大のミスを犯すところであった。

実は今、大きな岐路に立たされている。
立たされていると言っても僕ではない、愛車がである。

僕が熱狂的なスポーツカーマニアであることは以前記した通りだ。
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1代目の愛車はZZT231セリカであり、もちろんマニュアルトランスミッション。彼は1.8L自然吸気エンジンでありながら、レッドゾーンは8000回転まで許容し200馬力近い出力を誇る元気一杯なマシンであった。そのいかついエクステリアも含めて、やんちゃな当時の僕にはうってつけのパートナーであった。当時の僕は彼女(人間)の誕生日をナンバーにしてしまうぐらいのアホであった。

しかしその数年後、彼女と大失恋をしてしまい、彼女との思い出が多く詰まったセリカ君への愛着も急速に薄れていった。セリカに非は全くないのに、彼の存在を忌む僕がいた。身勝手である。

自暴自棄になっていたある日、走り慣れた峠で大スピンを喫してしまう。そしてそのまま電柱に激突し、彼は帰らぬ車となった。奇跡的に僕は全くの無傷であった。

それから数年後、現在のパートナーである1996年式 NA型ロードスターに乗り換えた。彼は15年前の車にもかかわらず40万円という破格の値段が付けられていた。僕は彼を愛した。堅牢なロールバー、フィット感抜群のフルバケットシート、新品のナルディのステアリングとシフトノブを与えた。その思いに応えるように、年式を感じさせない彼は、実にご機嫌に走り回った。もちろん彼女(人間)の誕生日をナンバーにするような愚も犯しはしなかった。



しかしそんな彼も、寄る年波には勝てなかった。

まず今年の夏の終わりに冷房が壊れた。ちょうど涼しくなり始めた時期であったことと、ヒーターは問題なく作動していたので、現在はそのまま乗っているが、夏は厳しいだろうど。エアコンを新品に取り換えると30万近い出費になる。

そんな中さらなる追い打ちがかけられる。オープンカーには避けられない大問題。そう、屋根が破れたのだ。普通の車に乗っている人には全く縁のない話ではあるが、今はビニールテープにて応急処置を行っており、大惨事には至っていない。しかしその補修痕はあまりにミゼラブルであり、早急に対応したいところだ。 

近くにあるロードスター専門ショップ(世の中にいろいろな専門家がいるのだ)に問い合わせてみたら、工賃を含めて20万円弱の出費がかかるとのことであった。一人暮らしの僕だが、気楽には出せない額である。しかも、車検も迫っている。車検ではおそらく10万弱の金がかかるだろう。

頭が痛い。
こうやって人は車を乗り換えていくのだと、厳しさを悟った年末年始であった。

失意の中、一つの知らせが届く。数ヶ月後に親父が海外へ単身赴任になり、実家の車(BMW1とVWゴルフ)のうち一台が兄に譲渡されることとなったのだ。そして兄が現在乗っている、2014年式のヴィッツが無償で僕に回ってくることになったのである。

すぐさま「ヴィッツを売ってその金でロードスターを修理しよう」と発言した僕に、家族全員が呆れたのは言うまでもない。家族会議の結果、「ヴィッツを渡す条件はそのポンコツ(ロドスタ)を売ること」との非情極まりない裁定が下された。

以前書いたが、僕のプランでは再来年にアメリカに行く予定である。さすがに車を持っていくわけにもいかないので、ロードスターとの日々も長くて1年だ。1年過ごすためだけに20万の出費。正直心は揺れた。なにせ、ヴィッツには最新のナビ、完璧に作動するエアコン、修理の心配も全くない。理性的に考えらばヴィッツに乗り換えるべきだろう。

その方向でほとんど心が定まりかけていた今日、僕は何気なく近くのコーヒー豆専門店に入った。僕がコーヒー愛飲家であることは、以前のエントリで記した通りである。その店もなかなオシャレであり、美味しいコーヒーが愉しめた。

そしてふと、店内から外に停車したロードスターを眺めた。洗練されたデザインの看板の下に佇む、紺色のロードスター。見慣れた姿のはずなのに、思わず見つめてしまった。

ため息が漏れた。何てかっこいいのだろう。あまりに素敵だ。そして、今ロードスターが止まっている場所に、もしかしたら僕の愛車になるしょぼいクソヴィッツが止まっている姿を想像してみた。

・・・やっぱりダメだ!車は理性で乗るんじゃない。

魂なんだ。俺が俺である理由、俺の人生観を、方向性を示す魂なのだ


器用で頭のいい、効率的な人生など糞食らえだ。俺は俺のスタイルがあり、それを洗練して生きていく以外の選択はない。去勢されたATのコンパクトカーなんていうMotherfuckingな車、乗れるわけがない。乗ってしまったが最後、夢を諦めた負け犬に成り下がるのは目に見えている。

決めた。

再来年、アメリカに行くことが決まれば、僕の母校の後輩に、ピカピカな新品の屋根をかぶったロードスターを譲ろう。

新しい乗り手は、友人や彼女にこう言うんだ。
かっこいいだろう。譲ってくれた先輩は、今はアメリカで活躍しているんだぜ」ってね。