若手医師と商社マンが最強を目指すブログ

平成生まれの帰国子女である3年目医師と4年目総合商社マンがそれぞれの最強への道を虎視眈々と狙う

それでもやっぱり美味しい、医師という仕事

(2016/7/2:補足しました)

金がない!
今年の4月からの勤務先は、とある事情で給料が劇的に少ない。

具体的に言うと手取りで月20万、家賃は別、賞与なし、である。僕は一人暮らしなので、普通に生活する分には全く困らない額ではあるが、決してリッチとは言えない。 研修医時代の給料が年収600万ぐらいあったので、金銭感覚がその時のまま固定してしまっており、かなり貧相な気分で日々生活している。



医者の非常勤とは?
そこで勤務先とは別の病院で、働ける時にだけ仕事を入れる「非常勤」を行うことにした。

医者としての非常勤とは、土日・祝日や夜間などに人手(医者の手)が足りなくなった際に、その病院に所属していない医師が代わりに勤務をするというシステムである。内容としては、病院の中で一晩過ごし、入院患者の状態悪化に対応したり、時間外の患者の診察にあたったりするのが一般的だ。

給与は病院の立地に左右されることが多いが、一般的には一晩10万円弱が相場なようだ。だいたい土日の夜間に入ることが多い。勤務の大変さはかなりばらつきがあるが、田舎の病院であれば一晩患者が一人もこないことはザラにあり、病院の中で寝ているだけで終わることも多々ある。

大学病院の医者は、大学病院からの給料は中堅の医師でも1000万円ほどだが、この非常勤をたくさん行う事で、それなりの収入を確保している。これを医師間では「バイト」と呼んでいる。

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↑医師のバイブル「ブラックジャックによろしく」にも同様のシーンがある。
 

アメリカへの就職活動には渡航費や試験勉強など多額のカネがかかる。既に100万円以上投入しているわけだが、今後も金は必要だ。僕も新しい非常勤先と勤務日程の交渉に入っている最中である。



医者の新しい働き方
近年、所属する職場を持たず、この非常勤を繰り返すのを生業としている新しい働き方をしている医者も出てきている。一番多いのが麻酔科医だ。理由は、麻酔科医というのは手術室で麻酔をかけ終わったら、その患者にはノータッチになるので、仕事が一日で完結するからである。普通の医師ではそうはいかず、数日間は続けて同じ患者に接することとなる。非常勤オンリーの働き方をするのは一部の専門科の医師に限られる。

僕の知るとある麻酔科医は30代後半であったが、年収3000−4000万円ほどもあるとのことだった。一般的な勤務医の年収は1500万円ほどであるので、この額は破格である。開業しないのであれば、勤務医の中ではフリーの麻酔科医は最も稼いで専門の一つだろう。



医者という仕事の市場価値
医師の仕事に限らない話なのだろうが、「金を稼ぐこと」と「医師としての優秀さ、世の中の役に立っている度合い」は全く関係がない。しかし、金を稼ぐことにフォーカスすれば能力の多寡にかかわらず確実に大金を稼ぐことができるのが、医師という仕事の現実なのである。 

現在、医学部人気はとどまることを知らず、大学受験の偏差血はうなぎのぼりに上昇し続けている。その理由は明白であり、この傾向は今後続いていくことだろう。 



補足①:この記事内の「非常勤」は一番多い勤務内容である「夜間の病棟当番+時間外受診の対応」についてだ。この内容の場合、初期研修を終えていれば、誰でも同じ給料であることが多い。仕事の能力に関係なく医者3年目であるというだけで、これだけ条件の良いアルバイトが行える医師という職業は、やっぱり美味しいよね、というのが骨子。「じゃあそれ(非常勤)ばっかりやればいいじゃん」と思うかもしれないが、雇用側の病院も経費は削減したいので、当然通常は常勤の医師を雇って勤務表を埋めている。どうしても働き手がいない日のみ、このような「非常勤」が呼ばれるのだ。そんなに募集自体は多くない。

補足②:同業者の方から「本当にこんなに条件の良い非常勤があるのか?」との質問を受けた。確かに求人広告で探すと、一晩5−6万円のことが多いようだ。広告会社に中間マージンを取られていることと、都会での勤務が多いからだと推察される。 僕自身は求人広告を利用したことがなく、非常勤先の病院とダイレクトに交渉しているので、条件が良くなっているのだろう。同業者の皆さん、研修医のうちから近所の小さな病院とは仲良くしておきましょう。