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平成生まれの帰国子女である3年目医師と4年目総合商社マンがそれぞれの最強への道を虎視眈々と狙う

【君はそのハードルを超えることができるか】損する結婚 儲かる離婚、藤沢数希

損する結婚 儲かる離婚、藤沢数希

 元外資系金融マン、人気ブロガーで恋愛工学の祖、藤沢数希氏の新刊。僕は氏の恋愛工学メルマガも購読しているが、そこでも数か月前からこの本に関して盛んに宣伝されていた。恋愛の目的=セックス数、というわかりやすいゴール設定で、恋愛ノウハウの体系化に成功した藤沢氏。そんな著者が満を持して送り出す、結婚と離婚の本とはどういった物なのか。興味を持って読み始めた。

まず最初に、著者の結婚観について記そう。

「結婚とは「所得連動型の債権」という金融商品である」

これが氏の結婚に対するアティテュードである。

全く縁のなかった二人の男女が巡り会い、そして愛を育み、結婚というめでたいゴールを迎える。この様な一般的な感覚を持つ者がこの言葉を聞くと、強烈な違和感を覚えるだろう。愛を金に換算するとはどういうことだ!、そういった一般論で突っ込まれること請け合いである。

そこは身も蓋もない理論で、恋愛の真実を淡々と書き続けた藤沢氏である。舌鋒鋭く、結婚と離婚に関する金の動きを見事に暴き出す。

以下に重要な点をまとめてみよう。 

「結婚と離婚で動く金は、基本的には、慰謝料、財産分与、婚姻費用(コンピ)の3つ」

慰謝料

慰謝料とは、精神的な苦痛に対する損害賠償金であり、基本的には、不貞を働き離婚の原因を作った側が相手へ支払う。「裁判所で浮気といえば、肉体関係、つまりセックスをしたかどうかが全て」であり「問題となるのはセックスの有無だけ」だ。「継続的にセックスをする相手が居た場合は、文句なしに「不貞行為」になる」。

日本では慰謝料の相場はかなり低く押さられており、だいたい100〜200万ぐらいのようだ。数千万以上の金が動く離婚劇では、ほとんど計算から無視できる、というのが著者の主張である。

ちなみに、有名人やスポーツ選手の離婚報道で、慰謝料は数千万円!などという報道をたまに見かけるが、これは下の2つ、財産分与婚姻費用のことであると推測される。特に婚姻費用では、額は数千万円に登ることもあり、しっかりとその内容を理解する必要がある。

要するに「離婚で動く金の大部分が、どっちが悪いかとは直接的には無関係なのである」。

財産分与

財産分与とは、離婚する際に二人の財産を分割する目的で、結婚してから形成された財産をお互いに分け合うシステムのことだ。そして、分与の対象となるのはあくまで結婚してから形成された財産、つまり共有財産だけとなる。

ここで重要なことは、財産分与に関しては(婚姻費用もだが)、結婚前までに持っていた金は関係ないということである。「つまり、一財産作って、引退間近でそろそろ身を固めようかと思っているスポーツ選手と結婚しても、その後に稼がないと財産が減っていくので、妻が受け取る財産分与はゼロになるのだ」。

一般的なサラリーマンであれば、結婚したからといって、その後にも大した財産はたまらない。なので、財産分与も大した額にはならない。しかし、成功した起業家などは、結婚した後に大きく財産を増やすこともある。「ときに財産分与でとんでもない金額になることもある」。

逆に「親が金持ちのボンボンと結婚しても、結婚前にあった親の財産は」財産分与には「関係ないので、理論的には奥さんはそこから1円も取らないことになる」。

「結婚の法律は代々続く金持ちに甘く、成金に厳しい」のである。

婚姻費用

最重要なのがコンピこと婚姻費用

離婚騒動が持ち上がってから、夫と妻が実際に離婚するまでには、タイムラグがある。その間、多くの場合は別居することになるだろう。しかし、民法の規定で、夫婦は相手の生活を自分と同じレベルで維持し、夫婦の資産、収入を分担する義務があるとされている。

これを法的根拠とし、「夫婦間でより稼いでいる方が、そうでない方に毎月一定の金額を支払う義務」が出現する。これが婚姻費用、通称コンピである。コンピの算定方法はネットで調べてほしいが、基本的には収入が多いほど増える。

夫は年収1000万円のサラリーマン、専業主婦、子 なし

→コンピは14~16万円(月)

「コンピは裁判で離婚が認められるまで払い続ける必要が」あり、「裁判はとても長い」のである。「調停、家庭裁判所高等裁判所と裁判を続けると、簡単に2−3年はかかる」。「このコンピのために、ある程度の所得が有るサラリーマンが離婚する際の支払金額が、簡単に全財産を上回ることになるのだ」。

 婚姻費用の法的根拠

そもそも、なぜ奥さんと稼ぎ頭は同じレベルの生活を維持しなければならない、という法律になっているのか?これは、内助の功、という考えに基づいている。現代の結婚制度では、婚姻届にハンコを押した瞬間から、旦那は奥さんの「内助の功」によって金をより多く稼げるようになっている、という風に解釈されている。

なので、結婚後に得た生活レベルや財産に関して、妻と夫の貢献度は全く同じであり、よって同じ額を貰う権利がある、ということだ。

ちなみに、婚姻費用の法的根拠をみればわかるが、これはより稼ぎの多いほうが、結婚生活を維持するのに必要な金額を、稼ぎの少ない方に渡す、というシステムなので、妻のほうが稼ぎが多い場合は、当然妻から夫へ金を渡す必要がある外資系でバリバリ言わせているキャリアウーマンが、イケメンのヒモと結婚し、ヒモの浮気で離婚することになったとしよう。当然ながら、この場合はウーマン→ヒモの方向でコンピを支払う必要がある。日本の法律は、完全に男女平等なのだ。

優良銘柄は大企業の正社員、弁護士、医師

離婚により妻(より稼いでいない方)が得られる金は、結婚の収入により決定されることが、今までの議論により明らかになった。収入の安定性を考えると、大企業の正社員、公務員、会計士、弁護士、医師などの安定した職業の男は、とてもお買い得だといえる。

裁判所は、婚姻費用などの支払い命令を書いてくれる。これを根拠に、給料の差し押さえを行うわけだが、裁判所は実際の取り立てはやってくれない。しかし、相手が大企業のサラリーマンや医師の場合、この紙切れは絶対的な力をもつ。「こうした堅い職業の男たちは、伝統的には結婚相手としては非常に人気があるのだが、それには理由があるのだ」。

ありのままの結婚/離婚の真実を知った感想

さてさて、私Tatsuyaは結婚したことはないが、これまで、たくさんの女の子とおつきあいさせて頂いた。その中には、この子となら、結婚を含めて長期間の関係を築いてもいいかな、と思える子も居た。結局色々なな事情があって、そのゴールにはまだ至って居ないのだが。

この本を通して、結婚相手を選ぶ基準に、離婚による金の分担も考慮する必要があるということを学べた。もし素敵な女の子と出会い、愛し合い、結婚することになったとしよう。その際、もしその子が専業主婦志望であった場合、そして不幸にもその子と離婚することになったら・・・。

全財産を持っていかれてしまうようなことが起きるかもしれない。それでも構わないと自信を持って言えるか。

そんな素敵な女子に出会い、大きなハードルを易々と超えることができるような愛を育むことが出来たら、それはとても素敵なことのように思えるのだ。

 

(「」内は原文引用)