若手医師と商社マンが最強を目指すブログ

平成生まれの帰国子女である3年目医師と4年目総合商社マンがそれぞれの最強への道を虎視眈々と狙う

医者の懐事情を赤裸々に綴る

医学部6年間を卒業したら、次に2年間は初期研修医という身分になる。

初期研修は、国のシステムなので、医学部を卒業して国内で医師として働きたい場合は、誰もが2年間は最低やらなくてはならない。その期間中は、研修先以外での仕事(通称バイト、非常勤)は禁止されている。

これは、昔の研修医の給料が5万しかなかった時代に、当時の研修医がバイトをしまくり日常業務に支障をきたし、問題なったという経緯があるからである。

現在の初期研修の給料はだいぶ上がり500−700万ほどであり、普通に生活する分には全く困らない。

そして初期研修が終わると、一旦勤務先との契約が切れて、再度就職活動をしなくてはならない。就職先は、元々初期研修を行っていた病院や、出身大学の大学病院医局などが多いようだ。

そして医者3年目からは「後期研修医」になる。

そして後期研修医から、「バイト、外勤、非常勤」が解禁となる。今回はそのことに関して、僕の現在知っていることを記していきたい。

 

一般的に、大学病院よりも市中病院の方が給料は高い。大学で年収500万、市中病院で800万あたりが相場のようだ、これだけ見ると「金が欲しいのであればやはり市中病院か」とお考えになるかもしれない。しかし、大学病院には大きなからくりがある。外勤である、

外勤とは、その医局の支配下にある近隣の病院に、半日〜一日だけ派遣されて働く、というシステムである。その時の給料は外勤先から直接医者に支払われ、大体半日で4ー5万ぐらいといった相場だ。

頻度は、各医局でかなり差があり、月に1−2回だったり、週3回だったりする。つまり頻度が多ければ外勤だけで、月に40−60万もの給料が振り込まれるのである。

これにより、大学病院の後期研修医の基本給と外勤費用を合わせた合計は、年収にして1000万を越えることが珍しくない。これは、医者3年目、27歳の時の給料である。

逆に、市中病院での後期研修は外勤システムは基本的にないし、仕事がめちゃくちゃ忙しいことが多いので、基本給が高くても、そこから収入を増やすことは難しい。「大学は給料が安い」というのは、誤りなのである。金が欲しくてあんまり激務したくないのであれば、大学病院がオススメだ。

 

なお、医局や病院が斡旋してくれる勤務先ではなく、自分で求人を探し働くということも可能である。通称バイだ。

普段の仕事を休むわけにはいかないので、基本的に土日や祝日しかバイトはできない。大体土曜日の夜にバイト先に行ってそのまま泊まり、日曜は全日病院、月曜朝まで、という求人が多い。それで15−20万+交通費というところだ。

某大学病院で精神科後期研修医している知り合いは、平日は9時出勤、17−18時上がりというぬるま湯研修を行なっている。

このスケジュールであれば、平日の泊まり込みバイトも入ることができる。もちろん、バイトが忙しい場合だと夜に寝れず翌日のパフォーマンスに支障をきたす。なので、暇なところを探す。

当たり前だが、暇なアルバイトをたくさんやっても、自分の医師としての戦闘力は上がらない。時間を金(時給五千円ぐらい)に変えているだけである。しかし、どうせ家に帰っても勉強して寝るだけなので、泊まるところを変えるだけで金がもらえると考えれば、全く悪い話ではない。彼はそれで、大学病院の後期研修医でありながら、年収1200万を実現させている。

 

ところで、こういった外勤やバイトは、ほとんどの場合、医者としての実績があろうが若手であろうがと時給は変わらない。医者三年目のペーペーでも、医者20年目のベテランでも、外勤やバイトからもらえる額は同じなのだ(基本給は増える)。

そう考えると、一番医者として金銭的に美味しい時は、3年目以降〜30代前半の家族ができるまでという、比較的若い頃なのではないのだろうか。 

 

若ければ若いほど、体力や休日の自由がある時こそ、稼ぎやすい。

当分は若さと体力を武器に、自分の時間を売って稼ぐこととしよう。

お医者さんの時給はなかなか良いのだ。

 

今後は、仕事の実際について、書いて行きたい。

 

 

(2016年12月9日追記)

「市中病院よりも大学病院の方が、稼ぎが良い」という内容であったが、これは条件付きであった。「市中病院では+αのバイトは不可能」という前提で書いていたが、よくよく考えてみれば、仕事量が少ない田舎の市中病院など、それこそ腐るほどあった。

 

僕は「意識が高い医者」なので、そう言ったヘタレな職場のことを全く考慮していなかったのだ。仕事量が少ない市中病院であれば、エクストラのバイトも可能である。

 

実際に僕の知り合いで、市中病院の外科で後期研修をしている奴がいるが、基本給が月に手取り60−70、それに加え、療養型病院での寝当直(その病院で寝ているだけで、基本的に仕事はしていない)を月に2−3回入っているとのことであった。そこからの収入で+20万ほどの収入があるそうだ。

 

こういったライフスタイルであれば、「暇な市中病院」が一番稼ぎがいいことになるな。