若手医師と商社マンが最強を目指すブログ

平成生まれの帰国子女である3年目医師と4年目総合商社マンがそれぞれの最強への道を虎視眈々と狙う

イギリスの車番組、Top Gearの珠玉のエピソードでユーモアを学ぶ(The Grand Tourについても)

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僕が愛してやまないイギリスBBCの車番組「Top Gear」そのメインMCを務めるのは、我らがジェレミー・クラークソン(写真中央のおっさん)である。その脇を、ハモンド(左)とメイ(右)が固める。
 
Top Gearは1977年にスタートした車番組である。もともとは単なる自動車情報番組に過ぎなかったが、1988年放送の第20シリーズからジェレミー・クラークソンが番組へ加入し、大衆が見ても楽しめるよう方向性が変わってから国民的な人気を得た。
 
Top Gearの凄さは、まず出てくる車。話題の、モーターショーで発表されたばかりのような車が出演している。そしてそれを司会の3人が好き勝手に乗り回し、めちゃくちゃ偏った意見でディスりまくるのが痛快だ。 映像は超綺麗で迫力満点であり、小学〜中学生ぐらいが見ても(つまり会話がわからなくても)面白いようになっている。
 
海外ロケも多く、日本でのGTRvs新幹線はニコ動でも有名である。
 
しかし僕は映像以上に、司会3人の会話が大好きだ。
政治の風刺、人種差別ネタ、歴史ネタといったかならレベルの高いイギリス流ユーモアが飛び出す。「アメリカ人はハンバーガーと銃がないと死んでしまう」「イタリア人は勤労意欲低すぎて昼寝ばっかり」みたいなネタをBBCという公共放送局が放送している点に、イギリスという国の文化成熟度を垣間見る。 
 
今回は、その中から3つのおすすめ動画と、英語の翻訳を見てみよう。  
 

1. 果たして共産主義は良い車を作ることが出来たか?(3:45-)

youtubeの動画が削除されているので見づらくて申し訳ない。共産主義者のマネをしているメイとジェレミーが、それぞれ冷戦時代のポンコツ車を紹介。その後「どっちの車がより共産主義的でゴミ車か?」という謎なバトルを繰り広げるシーン。
May: So, whose car is most wretched?
(メイ:さあ、どっちの車の方がポンコツなんだ?) 
 
Jeremy: That is simply the worst car in the world. Even worse than this.
(ジェレミー:俺の車は、世界一のクソ車だよ。君のやつよりもね。)
 
 May: Diagree(メイ:同意できないね) 
 
Jeremy: Have you seen the pedals in this. Look where the accelerator pedal is, in relation to the other two pedals.
(ジェレミー:俺の車のペダル見た?アクセルペダルが他の2つのペダルこんなにでかい。) 
 
(メイがジェレミーの車内を見て)
May: Thought so.(メイ:ふん、だと思ったよ)
 
 Jeremy: What?(ジェレミー:なんだよ) 
 
May: A Rev counter.(メイ:レブカウンターがついてる!) 
 
Jeremy: Yes?(ジェレミー:それが?)
 
 May: You decadent capitalist pig. Ownership for a rev counter is theft!
(メイ:この退廃的な資本主義の豚め。レブカウンターは泥棒のものだ!) 
 
Jeremy: This is the car, This is the color of prosthetic limbs!
(ジェレミー:この車の色なんか、義手と同じ色だぞ!)
 
 May: You got wipers on your head lights!
(メイ:おまけにヘッドライトにワイパーがついてるじゃないか)
 
 Jeremy: It doesnt work.(ジェレミー:でも壊れてるぞ?) 
 
May: No! That’s not the point. It’s aspirational!
(メイ:そこじゃない。これは野心の現れだ!)
 
 May: Rear suspensions, made out from cart springs. What have you got on yours?
(メイ:リアサスペンションは板バネだ。お前のやつは何がついているんだ?) 
 
Jeremy: Coils.(ジェレミー:巻きバネだ) 
 
May: Exactly, You elitist!(メイ:それ見たことか、このエリート主義者め!)
 
 Jeremy: The coils, James are from Bulgarian biro.
(このコイルはな、ブルガリア製で、ペンに使うバネで出来てるんだぞ)
 
 

2.司会の3人によるアメ車批評4:30- 

Top Gearはイギリスの車番組なので、アメリカを痛烈に日に来るのも日常茶飯事である。司会の3人が、アメリカ大陸の横断を敢行。それぞれが、アメ車を借り、旅路を進む。その途中休憩をとった3人は、それぞれのアメ車に対して語り始めた・・・
ジェレミー:というわけで、まずはハモンドの”ドッジ・チャレンジャー”をコケにすることにしました。

Jeremy: Is this real carbon fiber?
(ジェレミー:これは本物のカーボンファイバーなのか?)

Hammond: No it’s not.
(ハモンド:いいや、違う)

Jeremy: Are these real ram air scoops?
(ジェレミー:これは本物の空気取入れ口なのか?)

Hammond: No.
(ハモンド:違う)

Jeremy: I am sorry Richard, its a joker.
(ジェレミー:なぁリチャード。悪いけど、これはおもちゃだよ)

Hammond: It’s not suppose to be a Rolls Roys. It’s simple, it’s fast, it’s workers car.
(ハモンド:そりゃロールスロイスみたいな完璧なものではないよ。シンプルで、速い。まさに労働者の車さ)

May: Are you born in USA or so? What has happened to you?
(メイ:お前はアメリカ出身か?どうしちゃったんだよ?)

Jeremy: Let me put it this way. This is like a bodybuilder. Hugely impressive, but once you take down its trunks down, its hello Mr.XXXX
(ジェレミー:じゃあ言い直そう。こういったアメ車は、まるでボディビルダーみたいだ。外見は極めていかつい。でもパンツをおろしてしまえば、あらまなんて小さいチ○コなの?)

Jeremy: Sorry, don’t send helicopters.
(ジェレミー:ごめんなさい。戦闘ヘリを送り込まないんでください)

Hammond: Why do you got a secondary double glazing on your bonnet? Whats the point of that?
(ハモンド:なんでボンネットに2重ガラスをはめ込んでるんだよ?なんの意味があるんだ)

Jeremy: Lamborghini and Ferrari are putting glass engine covers on these days, so you can see, the craftsmanship. This?
(ジェレミー:ランボルギーニフェラーリでは、ガラス製のエンジンカバーをつけた車両が増えている。職人の工芸を拝むことができるようにね。じゃあこれは?)

May: So you can see some some writing and showing offs.
(メイ:まあこの辺の文章は見えるし、自己顕示っぽいマークも見せつけられるよね)

Hammond: I quite like that. I do! I like it!
(ハモンド:僕はこれ結構好きだよ。本当だよ!)

Jeremy: Ferraris are made by craftsman in Maranello. This car is made by two fat blokes in Kentucky.
(ジェレミー:フェラーリはマラネッロ(イタリアの地名)の職人が作り上げているけど、この車はケンタッキー州出身の二人のデブが作ってるんだぞ)

May: Called Bud and Bob.
(メイ:名前はバドとボブだ)

Jeremy: This plastic comes from the same plastic that used to make newsreaders over here.
(ジェレミー:このプラスチックは、アメリカで、ニュースキャスターの”製造”に用いられていたプラスチック(整形用シリコン)と同じものだよ)

May: And same color as well.
(メイ:(ニュースキャスターの服と)色まで一緒だよw)
 
 

3.アメ車第2弾:コルベットZ06のレビュー(4:50-)

アンチ米車のジェレミーだったが、GMが満を持して発表したスーパーカーは思いの外いい車であった。そう、ナビをつけるまでは・・・。
Jeremy: It doesn’t feel like at all, like an American car. Until you turn the Satnav on.
(ジェレミー:この車は全くといっていいほど、アメ車とは感じさせない。・・・ナビをつけるまではね。)

Jeremy: Its got sort of, voice thing on it, Okay? Im going to push it. Ready?
(ジェレミー:これにはね、音声認識みたいなのが備わってるんだ。押してみるよ、いいかい?)

Satnav: The system is showing the fast food icons.
(ナビ:画面にはファーストフードの場所が表示されています)

Jeremy: First thing it goes on the default setting, “fast food”.
Jeremy: How American is that?
Jeremy: It can’t find France, can't find a London, but it will find him a burger!
(ジェレミー:デフォルトで最初に登録されているものは、ファーストフード)
(ジェレミー:なんて”アメリカン”なんだ)
(ジェレミー:このナビは、フランスは見つけられない。ロンドンも見つけられない。でもハンバーガーは見つけられるぞ!)

Clarkson: Chinese
(ジェレミー:中華のもの)

Satnav: System is showing the Chinese restaurant
(ナビ:画面には中華レストランの場所が表示されています)

Jeremy: Ive got a good one… Iraqi restaurant.
(ジェレミー:いいアイディアがあるよ。イラク料理!)

Satnav: …
(ナビ:・・・)

Jeremy: Well, that shut her up. Haha
(ジェレミー:黙っちゃったね。へへへ)
 
 

Top Gear→The Grand Tour

ジェレミーは2015年にプロデューサーを殴って、いきなり番組を降板になってしまった。それを追うように、同僚のジェームスとハモンドも、TopGearを去ってしまった。 
 
その後、BBCはTopGearの出演者の総入れ替えを刊行し、再スタートをきっている。しかし、鳴り物入りで始まった新生TopGearだったが、イギリス内での評価はボロクソ。いかに、今までの3人の存在感が大きかったか、それが明らかになったと言えよう。
 
 そして、タダでいなくなる3人でもなかった。
アマゾンプライム限定配信番組「The Grand Tour」で戻ってくるのだ! 
 
フェラーリLaFerrari、マクラーレン P1,、ポルシェ918Spyderという現代最高の3台(それぞれが1億円以上する)。それが揃ってドリフトする映像を魅せることができるのは、アマゾンという巨大資本をバックにしたことによる芸当だろう。また、3億円以上するアストンマーチン・ヴァルカンでエンストしたりと、相変わらずの夢のような映像の連続・・・。

興味深いのは、この番組がアマゾンプライムのオリジナルコンテンツとして配信される予定である事だ。 HuluやNetFlicksといった、元々オリジナルが強いサービスの後塵を拝していたアマゾンプライム。これからはこういった動画にも力を入れて行く予定なのだろうか。ちなみに制作費は200億円とのこと。
 
脳科学者の茂木健一郎さんも注目しています。 
 
 
今後も、この3人から目が離せない!